ふたご座流星群を見た後はしぶんぎ流星群がやってきます
そもそもしぶんぎとは何か
四文儀(又は象眼儀ともいう)という漢字を書きます。写真のよう(ピザを1/4カットしたような扇形)天体の位置を図る道具です。
しぶん儀について、西暦150年頃”アルマゲスト”という書物にプトレマイオスという人が、ペグの影を90度のメモリの付いた孤に映すことによって正午の太陽高度を測定できる道具だと書いています。しぶん儀はイスラームの世界では盛んに用いられました。特に小型化されたものは持ち歩きに便利なことから今でいう携帯時計として使われました。horary quadrant(時計しぶん儀)として知られています。また航海士の間では1200年代まで遡って使用されていたことを知ることができます。コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年より40年位前の1450年頃にはかなり広まっていました。
ナゼ流星群がしぶんぎと呼ばれたのか
フランスにジョセフ・ジェローム・ルフランセ・ド・ラランドという天文学者がいました。 (1732年7月11日~1807年4月4日 75歳没)
この人が18世紀ウシかい座とりゅう座の境界を放射点とする付近にあった星を、壁面四文儀座(へきめんしぶんぎざ)と設定したのが始まりのようです。この名前は1922年に国際文学連合が現行の 88星座を定めた際に採用されなかった為、別名のりゅう座l流星群(りゅうざ イオタ りゅうせいぐん)、英名:lota Draconids)が正式名称になってしまいました。流星群観測者は、その後も慣用的に”四文儀流星群”を使い続けてきた為、2009年8月の国際天文学連合総会においてこの名前が(Quadrantids)正式名称になり、日本の国立天文台も(しぶんぎ座流星群)と正式和名に決定しました。
観測できる時期
1月1日~1月7日頃まで、特に日本では1月4日(12:40頃という説もあります)の明け方近くに最も多くみられるようです。放射点が北天にある為、この流星群の観測は事実上北半球に限られます。ヨーロッパでは、冬場は晴れの日が(晴天率低い)少ないですが、日本の太平洋側はこの時期 天候に恵まれているので観測しやすい流星群であると言えます。
観測の条件
周囲が明るすぎると見えにくいので、安全であたりが暗く静まったような場所で見上げるのがよいです。また気温が下がった屋外にいることになりますので体温保持できる温かい服装で観測しましょう。
この流星群があまり知られてない理由
ペルセウス流星群、ふたご座流星群と並び3大流星群の一つと言いますが、ピーク前後の1時間から4時間程度の短時間しか激しい活動が続かないため、ピークが昼間に当たる年はあまり多くの流星を見ることができません。そういうところから一般には知名度が低いのかもしれません。
まとめ
和名 | しぶんぎ座流星群 |
学名 | Quadrantids (IMO略符:QUA、IAU番号:10) |
出現期間 | 12月28日~1月12日 |
極大日 | 1月4日 明け方頃 |
放射点 | 赤経:15h18m0s |
赤緯:+49.5°+50°(2) | |
星座 | りゅう座 |
母天体 | 小惑星番号196256の小惑星(仮符号2003EH1) |
が有力 | |
ZHR | 110~120 |
流星数 | 極大時:1時間当たり45個 |
速さ | 中(41Km/秒) |
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