レジオネラ菌(Legionella pneumopila)による温泉のお湯で基準値以上になったところは
全国見回すと時々あります。
注:写真は温泉のイメージ写真です。レジオネラ菌検出と関係ありません。
温泉のレジオネラ菌検出事例
2012年12月13日埼玉県日高市のサイボク天然温泉まきばの湯客4人が肺炎、呼吸困難等の症状がでました。調べるとレジオネラ菌が検出されました。
2023年2月24日福岡県筑紫野市二日市温泉大丸別荘客4人が肺炎、呼吸困難等の症状が見られた。調査により通常の約3700倍のレジオネラ菌が検出されました。年2回しかお湯の入れ替えをしてなかったそうです。
レジオネラ菌とは
感染源と伝播(でんぱ)
空調機、水治療用の渦流浴槽、加湿器、汚染された水の供給系がレジオネラ菌の保有体になる。
伝播はエアロゾルの吸入や、汚染水の誤嚥で起こる。
*伝播(でんぱ):広く伝わること
*エアロゾル:ざっくり言うと、空気中に浮遊する微粒子のこと
*渦流浴槽:渦の流れを利用する(マッサージ作用+温熱作用)上肢などの温浴療法用装置
感染
人から人への感染は無い。
病原因子
肺胞マクロファージや単球(それぞれ免疫担当の細胞)に貪食(食われる)されても食胞(免疫細胞が食って取り込む)とリソゾーム(細胞内の不純物分解)の融合を阻害(止める)する。この為、レジオネラ菌は、これらの細胞内で殺菌を免れて生育できます。
例:レジオネラ症(在郷軍人病)
非定型肺炎 症状:7日以内に乾いた咳と発熱がある。レントゲンでは片側、下葉の病変あります。高齢者や免疫不全の方では死に至ることがあります。
例:ポンティアック熱 症状:発熱、悪寒、頭痛、ときに吐き気が48時間以内に出現し、1週間以内に自然に軽快します。
治療
エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ジスロマックなどが有効
予防
水供給系の熱湯洗浄と紫外線照射が有効だが、塩素処理は有効ではないとのこと。次亜塩素酸(HCLO),臭素剤、二酸化塩素(CLO2),オゾン(O3)等
まとめ
温泉や銭湯などのお湯はある程度汚染されているだろうと思ってはいるものの、病的な症状が出るとは見た感じわからないのが現状。口コミなどの情報をよく見ていくしかないですね。でもいい時期に良い景色を眺め温泉につかりたいですね。
参考文献:Peter Q Warinner著:吉川博子翻訳:臨床微生物学ハンドブック
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