クエとタマカイを掛け合わせた魚のことです。
鹿児島湾に泳ぐクエタマ
水中写真家の出羽真一さんによると、海中を撮影していたらある時見たことも無い、まだら模様の30cmくらいの魚が泳いでいたのを見たそうです。
他の釣り人や猟師さんからも同じような目撃情報があり、出羽さんが知る限りでも鹿児島湾で10か所以上のところで見つかっています。
人に慣れているのか近づいても逃げないそうです。
養殖の生けすから逃げたクエタマが成長したのではないかという話もあります。自然界にいない魚が増えるのは、漁獲して食べられる資源としてはありがたい。種の保存的に考えると異端なのでしょうね。
クエタマの養殖
2011年に近畿大学で、高級魚のクエと世界最大のハタ類であるタマカイを掛け合わせ、人口交雑魚を開発。
クエ(垢穢)とは
地域別の名前
スズキ目ハタ科に属する海水魚。漁獲量が少ないので幻の高級魚といわれている食用魚。土地により呼び名が異なっています。九州・アラ(あら族のアラとは違う)、日本各地・モロコ、愛媛県・マス、三重県・クニマス、四国・アオナ。
クエの特徴
・最大で体長120cm,重さ50kg
・背から腹部にかけて黒い縞があり、頭部からしっぽまで6本あり頭部は目に向かっている。
・夜行性、肉食性。
・雌性先熟(しせいせんじゅく)の性転換する為、メスはやや小型、大型のクエはほとんどオス。
クエの生息域
西日本→東シナ海・南シナ海 に分布
クエの養殖の難点
1988年近畿大学水産研究所では、クエの人工ふ化に成功したが著しく成長が遅く、養殖して早く出荷というわけにはいかないのが難点だった。
養殖の成功
クエの餌を食べる量が水温に左右されることわかり、南紀白浜で育てた稚魚を奄美大島に持っていき、エサを工夫して成長させ、再度白浜に戻す。黒潮の海で身を引き締めることで味が数段良くなったそうです。
陸上養殖
海で養殖されるところ多いですが、長崎市のリクヨーファームでは、山の中で低温に弱い魚の(18~20℃に保つ)為、ヒーターを3倍いれて陸上養殖されているところもあります。
雌性先熟(しせいせんじゅく)とは
メスとして成熟して繁殖し、その後オスに性転換して再度繁殖に参加すること。
雌性先熟(しせいせんじゅく)の理由
一夫多妻制の繁殖形態もつ種では、なわばりやメス獲得のための争いがあり、体の小さなオスは縄張りをモテず、繁殖の機会も持ちにくい。そこで小さいうちはメスとして繁殖に参加し、縄張りを持てる大きさになったら効率よく自分の子孫を残せるオスに性転換する。
・雌(めす)はやや小型で大型はほとんど雄(おす)。
雌性先熟(しせいせんじゅく)の種類
ベラ科、ブダイ科、ハタ科、モンガラカワハギ科、ハゼ科の魚
タマカイ(魂交)とは
地域別の名前
スズキ目ハタ科の巨大魚、沖縄ではアーラミーバイ(大型ハタ類の総称)と呼ばれます。
タマカイの特徴
・全長2~3m,200~400kg(当たり前ですが10kgの米が20~40袋)になる巨大魚。
・白いまだら模様や、黄色と黒色の虫食い状の模様あり。
・内臓と皮が漢方薬になると信じられている。
タマカイの生息域
日本:八丈島・和歌山県以南太平洋岸、山口県日本海側、鹿児島県笠沙、沖縄諸島、小笠原諸島
海外:台湾、香港、海南島、西沙群島、中沙群島、インド太平洋、(紅海~ハワイ諸島)
*オーストラリア・クイーンズランド州の海を象徴する魚
タマカイ養殖
・2015年近畿大学では、台湾から輸入した稚魚を早い段階で3才(3~9kg)雄化させるのに成功を収めた。
・タマカイの養殖技術は台湾では広く行われていました。日本国内ではタマカイのオス化させたのは50kg以上のオスしか例がなく、3~9kgというサイズで雄化させるというのは世界的に見ても例が無いとのこと。
クエタマの味と値段
クエタマの味
高級魚のクエのような味だそうです。
クエタマの値段
近畿大学養殖魚の切り身を購入する場合、(株)アーマリン近代によると600g当たり7080円お高めのお値段です。フグの刺身よりはちょい安いかな?というくらいでした。
まとめ
養殖されたクエタマが高級魚の味がすると聞いて一度食してみたいと思いました!(^^)!
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