どこから来るのか?事件や事故があるとすぐに現場上空に飛んでくる報道ヘリコプター。
報道へリうるさい
航空機騒音の環境基準
住居系地域 | Ⅰ | 57デシベル以下 |
その他地域 | Ⅱ | 62デシベル以下 |
ヘリコプター騒音原因
ロータ騒音
ロータ騒音とは:ロータ回転音、渦騒音、ブレード・スラップ騒音で構成された騒音のこと
ロータ回転音
数枚のプロペラがくっついている中心の回転軸をローターといいます。平たく言うとこの部分が回転することによっておこる音。
難しく言うと、ブレードの通過周波数(回転数×ブレード枚数)を基本とする、ブレードの先端・マッハ数、ブレード枚数、ロータ推力、トルク、円板荷重などによってその大きさが変わるということです。
渦騒音
ロータ回転数とは関係なく、ローターのブレード(プロペラ)面上とその後ろの流れに発生する高周波数の渦が騒音発生源になっている。
難しく言うと、ブレード先端速度、ロータ推力、ブレード面積などによってその大きさが変わるということです。
ブレードスラップ騒音
シングルローターが回って一度圧縮した空気を後からくる高速回転する羽が再度たたく為起こるバタバタ音。機体降下時及び旋回時に発生しやすい。タンデムローター(回転するプロペラが前後に2つあるタイプ)で発生しやすい。
エンジン騒音
ロータ騒音に比べ周波数が高い為、距離による減音が大きく非常に近距離となった時以外の通常飛行では、住民に与える影響はロータ騒音に比べて小さい。
どこがとばしている?
大手として、朝日航洋、中日本航空、東邦航空などが報道局から依頼をうけて運航。
NHKも運航しています。
何処からやってくる?
NHKを例にとるとここは専属会社があり、365日24時間体制で運行。北海道、仙台、新潟、東京、静岡、名古屋、大阪、高松、広島、福岡、鹿児島、沖縄の12の基地があります。
全国で15機、東京は2機あります。他は点検などがあるので全国の機体を回しながら運航しているそうです。
朝日光洋(株)も365日いち早く現場の映像をお届けするため運航しているということでした。
ヘリコプター飛行制限事項
気象制限(航空法第2条94条事項)
エアラインの飛行機が計器飛行で飛行するのに対して、現状ヘリコプターの離着陸は有視界飛行により行われているので、一定の気象条件の確保が必要。
ヘリコプターの飛行に関する気象制限
離陸時 | 視程 | 1,500m以上 | 空港の周辺などでは5,000m以上 |
雲高 | 300m以上 | 航空運送事業の場合 | |
巡行時 | 視程 | 1,500m~ 5,000m以上 | |
雲から一定の距離以上離れること |
高度300m以下で衝突を避けられる速度で飛行するヘリコプターについては例外規定有り。
*視程(してい):どの程度まで見えるか、その見通し距離のこと
*雲高:雲の最も低い底の部分
*巡行:方々を行く(飛ぶ)こと
以上の制限により有視界飛行の就航率は約70~80%です。
ヘリコプターは日本では一般交通手段として役割を果たせないが、アメリカやヨーロッパではGPSを使った空港以外のヘリポートでも計器飛行が可能となっています。
離着陸・低空飛行に関する法令上の制限(航空法第79,81条)
①航空機は飛行場(空港・ヘリポート)以外の場所では離着陸してはならない
②航空機は離着陸時以外は省令で定めた最低安全高度以下を飛行してはならない
③但し、捜索又は救助の航空機、ドクターヘリは上記①②の適用を受けない
ヘリコプター飛行
ヘリコプター飛行高度
上空500~600mの高さで飛行しています。
スカイツリーの最上部が634mなので少し低いところを飛んでいると思っていただけるとわかりやすいです。
ヘリコプター飛行速度
時速180~200Km陸上の自動車だとかなり早いのですが、広い空の上でゆったり航行しているとそんなに早いという感覚ではないらしいです。
報道ヘリの必要性
新潟青陵大学大学院の碓井(うすい)教授によると、災害心理の見地からマスメディアの伝えるべき役割として以下のことが求められるとのことです。
被災地で役立つ情報
・災害発生直後の生活情報
・被害増大を防ぐ情報
被災地以外に向けた情報
(自分に置き換え注意を促す)
・被害の大きさ、悲惨さの報道
・被害者へのインタビュー
・明るく前向きな情報
まとめ
ヘリコプターの運航高度の低さから、騒音としてとらえやすく”うるさい”と感じるのは当然のことです。しかし、災害や事件などで取材し伝えなければならない報道もあり、一概に騒音をなくせばいいというものではないということがわかりました(^O^)/
コメント