
あらすじ
朝鮮王朝時代のお話です。
王室の秘密
ある晩のこと。王室の産院(産室庁サンシルチョン)で世子嬪(セジャビン:王位継承者世子セジャの妃)が男女の双子を出産しました。王様は世子嬪の父親サンホン君(左議政)を前に自分が王になる時功績があった為娘を世子嬪にしてやったが女子と一緒に生まれて来るとは王族としては王になる資格はない。周囲も罪に問われどう責任を取るのか?と責め立てました。
舅サンホン君はお生まれになったのは王子お一人ですと言い出す。サンホン君は、女の子は殺すよう命じましたが母親の世子嬪は父親世子(せじゃ)へジョンの意見を聞きたいと言うが「国の益にならぬなら捨てる。」と無慈悲にも殺すことに同意します。同じ我が子なのにと世子嬪は医官に頼み首に太い針を刺し一時的に仮死状態にしてもらいました。
女の子の方は死んでしまったことをサンホン君に話し、刺客の役目も果たす手下の役人チョン・ソクチョ(ジウンの父)を旨くだますことが出来ました。そしてすぐに針を抜くと内禁衛将(ネグミジャン)のユン・ソンヒョルが、女の子を抱え宮中の外に出ました。その女の子はタミと名付けられ、しばらく寺で生活していたものの火事が発生して住職が亡くなりました。
路頭に迷っているタミは近所の人の紹介で宮女の試験を受け宮中の下働きをしていました。ある日洗濯物が飛んで木の枝に引っかかり、それを取ろうとして塀の外の落ちてしまいました。すると玉蹴りの玉を回収に来た世子付きのホン内官に拾った球を渡したことからよく似ているという話を世子イ・フィ(タミの兄)が聴きつけます。
その頃洗濯物を宮中の片隅にある敷地に干す作業をしていたタミ。フィと入れ替わる間に父親の世子と話す機会があり書物を読みたいと思いました。帰って来たフィが貸してくれた本を読んでいたタミ。読めない字がありました。そこへ落とした洗濯物を届けようと追いかけて来ていたジウンがその字を読んでみせたので驚いてしまいました。そうこうしているうち、本を池に落としてしまいそれを取ろうとしてタミにつられジウンも池に落ちました。
弁償するからと自宅で注釈もつけた手書きの同じ本をタミに渡しました。返却された本を見てフィが、これは注釈が付いてかなり達筆な写本になっていると言う話をしました。ジウンは端午の節句の祭りにタミを誘っていたので二人は楽しく過ごしました。捨て子のタミに特別な名前で呼びたいと、自分が考えた蓮のゆかりの蓮膳(ヨンソン)と書いた紙を別れ際に渡します。ソクチョは宮殿の入り口まで見送った息子ジウンが連れていたタミの顔を見ました。
世子は自分の学問の師匠が思想を理由に職を解かれ自宅にいましたので、タミと服を取り換え会いに行きました。その後師匠が処刑される話を聞き先約があるからと嫌がるタミと、世孫フィは無理に入れ替わり処刑場へ向かいました。
司憲府(サホンブ)の監察(カムチャル)ソクチョ(ジウンの父親)に女装した世子が目撃されたのは2度目でした。サンホン君の指示で生かしておくわけにいかないタミをソクチュは追跡します。
双子の出産からタミを宮中から密かに連れだし、寺に預けた役人は彼女に気が付き逃がそうとします。話しているとそれが世孫フィだとわかりました。何故タミが狙われるのかと聞くフィでしたが、すぐ宮中に行くようにそこで話すからと馬に乗せました。逃げるフィを執拗に追いかけるソクチョ。フィが馬からおちたところ至近距離から弓で射殺しました。
フィの帰りを待つ世子に変装したタミとホン内官、キム尚宮。運ばれてきた遺体を前に世子嬪はタミが亡くなったとがっかりしました。そして首の針の後がないのでその遺体が世孫フィであるという現実に皆愕然としました。
タミは帰りの遅いフィを待ってましたが待ちきれず外へ出てはいけないと言う約束を破り、橋の上で待ち合わせていたジウンにお礼の気持ちのサイコロを渡そうと宮中を出ようとしていました。
祖父のサンホン君と母の世子嬪が遺体の引き取りをしてきたこと等の話を聞いてしいました。覆われている布がめくられると落馬の衝撃で出来た顔の傷や、胸に刺さった矢じりからでた血だらけの遺体。哀れなフィの最期の姿が見えなぜ宮中の外に出てはいけないのかを悟って座りこんだタミでした。
世孫フィとして生きていくことを母世子嬪はタミに強要しました。そうでないとフィに関わる人々が皆殺されると話しました。タミは後戻り出来ない境遇を受け入れ世子として武術や学問等に励んで生きていくのでした。
ジウンとの再会
ジウンは幼い頃タミに出会い一緒に池に落ちた時、武芸にたけてないことを言われ武術も身に着け、民国でも医術を学び朝鮮国に帰ってきました。またその当時、タミを探す親友宮女イウォルを宮廷のはずれで父ソン・ソクチョが切り殺すのを見てしまいました。それがトラウマになり1年前に明(ミン)から帰国してましたが家に帰りませんでした。
三開房(サムゲパン)という医院を開業していました。ある日、吹き出物を今日中に治療して欲しいと両班の娘(シン・ソウン)がやってきます。そして手伝いの兄妹パン・ジルクムとヨンジを人質にとりジウンに薬草を取りに行かせました。
ジウンは薬草を山の中で獲っていたら、着替えをしている女に出会いました。講武場で王族などが狩りをしていた最中叔父が弓を放ちフィの髪飾りを射抜きました。命をねらわれ女人であるフィ(タミ)は一旦馬から降りて人目を忍んで身づくろいをしていたのでした。
物音に気が付きジウンとフィは格闘になりますが、狩りに来た要人を守る役人たちに”怪しい奴ら”として追われます。崖のふちまで追い詰められた二人でしたが、フィはジウンに「飛び下りろ」と言って、崖からジウンを突き落としましたがジウンが思わずフィの腕をつかんだため二人もろとも河に落ちて行きました。
泳げずに沈んでいくジウンを助けながら、子供の頃同じように池に沈んでいくジウンを助けたことをフィが思い出しました。

やっとの思いで皆のいるテント近くまで帰って来たフィは、女だから殺しても構わないと言った父と後妻の中殿その息子チェヒョン大君(てぐん)が親子仲良くしているのをじっとうらやましく見ていた頃を思い出しました。
フィが子供の頃から女人であることを知っていて彼女を守りつつ恋心を抱いている従兄とホン内官が着替えを持参したことでテントに戻ることが出来ました。そして刺客に襲われたことを伝えることが出来ました。
宮中で側近らに女人であることを知るジウンを何故生かしたのか?問われましたが、薬草を取りに来た薬材商か医院何だろう。今後会うことも無いし大事にせずともよいと話します。一方ジウンは期限にギリギリ間に合いジルクムとヨンジを開放してもらうことが出来ました。
秘密の入り口を知る男
宮中で宮女たちの医療相談などにのっているジウン。山で遭遇したフィの安否が知りたくて、脱走を図った宮女だと思い込んでおり情報を探っていました。夜遅くまで宮中にいたジウンは、幼い頃タミと会っていた荒れた建物に入る入口のツタをかき分けたところでフィが警告のため放った矢が頬をかすめたところで宮殿を出ていくことにしました。
三開房(サムゲパン)に役人たちが押し寄せ、ジルクム、ヨンジ、ジウンは捕らわれの身となりました。ジウンの父ソクチョの仕業でした。半月後に明(みん)から使節団がやってくる、それまで宮中にお仕えすれば二人は解放してやるというのでした。
そして世子(せじゃ)フィの書筵宮(ソヨングン)の弼善が辞職した為その後継者にジウンが就任します。写本を山のように押し付けたり、河でドジョウを取らせたりして早く辞めさせようとします。なぜこんなことをやらされるのですか?と上司に尋ねるジウンに「それはな、世子様はお前が嫌いなんだ」と言いました。
世子になってから一度も休んだことがない講書の時間でしたが弓の練習をする世子。そこへ抗議しにやってくるジウン。そんなに講書に出てほしければ命を懸けるならという話からジウンは弓の的の前に立ちました。
大勢の家臣の目の前でジウンの身体すれすれのところをかすめるように世子は弓を的に当てました。その後講書に出席しジウンの質問に答えようと励むフィでした。弓の件でその様子を見ていたサンホン君から、世子に対して何かあればその地位を敵はすかさず狙うから弱みを見せてはいけという話をするのでした。
ジウンはサンホン君と世子は仲が悪いことを知ります。その後大妃殿(おばあ様)から護衛が派遣された、5歩下がって歩くよう厳重に注意されてしまうのだった。
男色の疑い
ジウンは怪我を負った世子の手当てをすることになるが男であるはずの世子が女であることに気が付く。そして治療には王専用の医者ではなくジウンが治療に携わっていた。ある日王様が毒を盛られ急死しました。国を裏から動かそうとする者達の仕業でした。
フィに接するうち恋愛感情の高まるジウンとフィは親密になっていきます。世間はそれを男色とみていました。世子フィの地位を危ぶむ祖父ホンサン君。手下として汚れ仕事をしているチョン・ソクチョは息子のジウンに婚礼をあげるように言い渡します。
心はフィにつかまれてはいましたが情勢を考えてみれば妻をめとることがフィを助けることになると思いました。以前吹き出物を治療した両班の娘シン・ソウンはずっとお慕いしていましたと乗り気でした。話はまとまったもののジウンの努力するからという言葉からあまり乗り気ではないのだなと思うのでした。
そんなある日王様が急死しました。フィは珍しい薬物が使われていたこと等探ることになりました。女の身であるフィは世子嬪を迎えることになりましたが夜伽は一切無いまま過ごすことに。そして耐えきれなくなった世子嬪にフィは寄り添うことが出来ない理由はいつか時期が来れば全て話すからと言いました。
謀反
王様殺しの主犯格は祖父のサンホン君でした。世子は自分の王の地位を腹違いの弟チェヒョン大君に譲ろうとしましたが、サンホン君の邪魔に会い刺客に殺されました。その後世子対サンホン君の一騎打ちになるべく「二人でお茶を飲むのはこれで最後になるやもしれません」とフィはサンホン君に茶を勧めました。毒が入ってないか怪しむサンホン君。先に世子が飲んで見せると自分も飲みました。が、実はやはり王様を殺したのと同じ毒入り茶でした。苦しむサンホン君にフィは「一緒(あの世に)行きましょう」と道ずれにしました。
老人だったサンホン君は亡くなりましたがフィは若い為助かりました。そして生き残った王族と言えばあの人。フィを女と知りながらいつも守るように恋心を抱いていた従兄チャウン君が王位を継ぎました。そしてフィは医師ジウンの奥さんヨンソンとして暮らしました。
見どころ
王座を狙う勢力図と阻止しようとする勢力との攻防が見どころ。何といっても冒頭の本物の世子が追跡されるシーンや最終回のフィが祖父を道売れにするストーリー展開が面白かったです。
感想
男女の入れ替わりの世子がいかに生活をして最終回を迎えるのか?難しいテーマでしたが話の落としどころがとっても気になり、ついつい最後まで見てしまう病みつきになる作品でした。
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