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あさり漁獲量減少、解決策や取り組みについて調べてみました

全国的に昭和59年頃からあさりの漁獲量が減ってきています。

目次

アサリの一生

アサリの一生

引用:水産庁

産卵→発生→トロコフォア幼生(受精後12時間0.1mm)→ベッジャー幼生(受精後48時間、D型幼生,0.1mm)アンポ期(0.13mm)→フログロウン期(0.18mm)→(着底)→着底した稚貝(0.2mm)→稚アサリ約6か月(10mm)→成貝(産卵可能な貝25mm以上)

*D型幼生:アルファベットの”D”に似ているためそう呼ばれている。

アサリの産卵

本州、九州で春と秋に年2回産卵する。

メス1個が産む卵は100万粒以上。

成長速度

水温など環境要因で成長速度が大きく異なる。約3年で捕獲できる大きさに成長する。

アサリの分布

日本各地、ロシア沿岸、サハリン、朝鮮半島、中国、インドシナ半島など沿岸域に広く分布

アサリ漁獲量減少と輸入推移

あさり漁獲量

日本1位の漁獲量を誇っていた愛知県(青いグラフ)を例にとると、2013年から右肩下がりになり2019年には1/5位まで減少しています。

引用:motion-gaiiery

あさり輸入量

 国内産のアサリ漁獲量の減少から輸入されるアサリが増えました。過去10年間3~4万トン推移。中国産が約7割以上輸入されています。平均単価は2013年以降 約200円/Kgでほぼ横ばいです。

2020年
中国25,246t
韓国10,124t
引用:minato-yamaguchi

あさり漁業

例:使用されている道具

ガンズメ

引用:アマゾン

ジョレン

引用:楽天市場

腰巻ジョレン

引用:青空レストラン

漁業権制度

都道府県知事の許可を受けて一定の水面において排他的に特定の漁業を営む権利を取得する制度。

*排他的:ある者が権限などを独占的に持つさま。

漁業権

漁業権は、漁「場」ではなく、漁「業」を排他的に営む権利です。

漁業免許を受けて行っている漁業を妨げられるものから予防することができる。またそういうものを排除することが可能。

但し、漁業権侵害されていない場合同じ漁場内で他の活動を行うことはできる。

漁業権の種類

共同漁業権

存続期間:10年

採貝採藻など、漁場を地元漁民が共同で利用し漁業を営む権利

ハマグリ、アサリ、もがい、トサカリ、アワビ、ウニ、イセエビ

区画漁業権

存続期間:5年又は10年

一定の区域において養殖を営む権利

ひび建養殖のり小割式養殖クロマグロ・ぶり
真鯛
藻類養殖昆布・わかめ筑堤式養殖車海老
垂下式養殖ほたて・かき地まき式養殖アサリ、ハマグリ

定置漁業権

存続期間:5年

大型定置:身網の設置、水深が原則27m以上の定置などを営む権利

注:小型定置は、共同漁業権などに位置づけられています。

あさりを増やす解決策

あさり養殖

養殖方法

一部地域において、区画漁業権に基づいて垂下式や地まき式による養殖が行われています。

地まき式養殖

直接海にアサリなどをまく養殖方法

引用:jf-net・地まき式養殖

垂下式養殖

コンテナの中に砂利とケアシェルを入れ、アサリの種具をいれてロープでつるし砂の上において養殖する方法。

引用:YouTube・垂下式養殖

伊勢湾や三河湾はアサリの養殖をしていましたが、鳥羽の浦村はカキの養殖をしていてアサリのとれるようなところではないがアサリがとれています。

ケアシェル

引用:iseshima-kanko

ケアシェルができるまで

以前カキ業者が殻の捨て場に困り、山のように積み上げていました。砕いて農家向けに肥料として販売したところ後々”素手でまいても手が荒れない、土が固まらない”ということで爆発的にヒットしました。

カキ殻粉砕工場を建てた方が、「地元の海でも使いたい」ということで香川大学が研究。水酸化マグネシウムと混ぜて”ケアシェル”(砂利のような形)という個体を作ることに成功しました。

干潟にばらまいて使用していたところ、いつの間にかどこに行ったかわからない状態になった為、35×50cm網の袋に入れて干潟に置いていました。するとアサリが住み着いて、食害や捕食を受けないので成長スピードがかなり速いことがわかってきました。

アサリの漁獲量減少原因は?

原因は一概にこれというものではないらしく、現在知られているものを上げてみます。

生息適地の減少埋め立て・干拓貧酸素水塊、赤潮
栄養塩の不足
栄養塩の不均衡
不十分な資源管理アサリのとりすぎ
新たな病害虫食害生物サルトビエイ
(西日本)
サキグロタマツメタ
(中国)
寄生生物カイヤドクウミグモ
(東京湾)
パーキンサス原虫
疾病ブラウンリング病ビブリオ菌

まとめ

アサリの減少はよく耳にしていますが、増やす為に色々研究や原因追及がなされていました。また、養殖に使われている袋網の技術を最初に取り入れたのは日本かと思いきや、アメリカワシントン州ビュージェットサウンドというところでした。日本産のアサリが昔みたいに増えるといいですね!(^^)!

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