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クジラ骨格標本作り方やなぜ漂着するのか調べてみました

引用:goo News
目次

骨格標本の作り方の種類

煮る方法

最初は37度くらいで1~2週間煮て、動物たんぱく質を分解する。後に今度は油脂成分を抜くため 60度前後でさらに1~2週間煮る。クジラも高温度で煮るとベストな骨格標本がとれるらしいが、残念ながら化学博物館の晒骨機(せいこつき)でも5メートルのクジラを煮るのが限界だそうです。

*晒骨機(せいこつき):元々医学部で人間骨格標本を作るために開発された装置。温度調節や蓋の開閉が自動制御できる。

節足動物に食べてもらう方法

カツオブシムシ等の節足動物に軟部組織を食べてもらう方法。防虫剤で防ぐ害虫はこのグループの昆虫。成虫は野外で花の蜜を吸って生活しているが、幼虫は皮革、毛織物、蚕繭(さんけん)などを食害する。中尊寺金色堂の奥州藤原氏のミイラも幼虫による被害を受けていた。

馬糞を使う方法

馬の糞を使って馬の腸内にいた細菌叢に分解してもらう方法

埋める方法

日本では調査後に、この埋設によって作られることがほとんど。

なぜ埋設方法が多いのか?

埋葬方法が多い背景

ストランディング

専門家に言わせると、そもそも海で囲まれた島国の日本の海岸では毎日のようにクジラだけでなく様々な海洋生物が岸に打ち上げられているそうな。(ストランディングが起こっているという)クジラは海では浮力で浮かんでいられるが岸に座礁すると体の重みで身動きできなくなる。死んだ重量のあるクジラは座礁した付近で埋設する方がたやすい。しかし、費用も半端なくかかるらしい。

*ストランディング(Stranding):水中(海・湖・河川など)と陸の境に位置する岸辺を指す。また、水中から陸へ向かう動詞としても使われる。生きたまま座礁することをライブストランディング(生存漂流)、死んだものだとデッドストランディング(死体漂流)、母子以外の複数個体が上がる場合はマスストランディング(大量漂着)と呼ばれています。

*座礁(ざしょう):船が暗礁に乗り上げる事

*暗礁(あんしょう):海中にかくれていて見えない岩・サンゴショウ(岩礁)のこと。

なぜ漂着するのか?

ストランディングが起こる理由

①病気や感染症:人と同じく重篤な病気や感染症にかかると死に至る

②餌の深追い:魚類や頭足類(イカ、タコなど)追いかけるのに夢中になって浅瀬に入り込み座礁してしまう。

③海洋動物の見誤り:日本の周囲の海域では季節ごとに様々な海洋生物が海流に乗って移動している。この移動時期を見誤るとストランディングしてしまうことがあるようです。

:南方系の種類は元々南方で暮らしている為、寒いのは苦手。それでも餌を追い求めたり、交尾のあいてを探したりして定期的に茨城や千葉県沿岸にクジラが大量漂着することがあり、個体を調査しても病気や感染症は見つからず原因究明が難航したそうです。

海洋や天候調査から千葉県銚子沖の少し北側では暖流の黒潮と寒流の親潮がぶつかる“亜寒帯収束線”と呼ばれる海域がある。そのぶつかるところの沿岸側に生じる”冷水塊(れいすいかい)”とストランディングする地点がほぼ同じことがわかってきました。 

*冷水塊(れいすいかい):周囲の海水よりも温度の低い海水の海域。本州南岸沖合を流れる黒潮が大きく蛇行するとき、北方の冷たい親潮水域が閉じ込められたような形となって現れるもの等。

クジラ埋設するには

引用:dijital Izu

クジラの解体をして調査をする。アントロポメーター等で計測しノンコ(魚屋さんがトロ箱を引っ張るとき使っている先のとがった金属棒)を使って数人で皮をはぎ、取り除いた丸っこい内臓などを調べ死因など調査。

その後、発見された場所又はその周辺の砂の中にクジラの長さに合う平らな穴を掘る。そして深さは1.5~2メートルほどの盛り土ができるような穴が理想的。人力では無理なので地元の湾岸事業者に頼んで掘ってもらう。穴の中に寒冷紗のような人口の素材のシートを敷き、骨が重ならないように 一定の間隔をあけて並べていく。埋めたまま、ふた夏くらいやり過ごしたあと掘り返す。

*アントロポメータ:人間の骨格を測定するのに使われている。

まとめ

くじら埋設が簡単そうでも機械を使って穴を掘ったり、また掘り起こすのに1000万円くらいかかるとか。大阪の淀ちゃんこと死んだマッコウクジラを紀伊水道沖に運んで学術調査後、海に沈めるというのもわかるような気がしました。

参考文献:田島木綿子著 「怪獣学者 クジラを解剖する」

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